カッコソウ保存会 短信12 2000 (H12).6.10
*平成12年度のカッコソウ・モニタリング調査が終了しました。
嶋神山北面域におけるカッコソウの自生量は678本、南面域における自生量は189本でした.調査は21箇所でおこない、総合計867本ですから1箇所あたり平均41本の自生量となります◇1996年の北面域だけの自生量は1992本でしたから4年間で1314本の滅少であり、これは年間329本ずつ減少していることにもなります。原因は「盗掘」です。(盗掘されたカッコソウは、どこがで売られてでもいるのでしょうか。まさか地元のどこかで売られてなんかいないでしょうね・・・。桐生市にはそんな事実の絶対ないことを信じていますが・・・)
*「1箇所あたり平均41本の自生量」が個体を維持するに足る数量であるかどうかという議論では、盗掘をふせぐことはできません.つい最近も東京新開に「カッコソウ受難」と題する盗掘関連記事が掲載されていましたが(これはどのような調査結果からの記事なのかは不明)、はっきり言ってしまえば「低レベルな騒動でしかないでしょう。過去から現在にいたるまでカッコソウといえば「盗掘だ…、盗掘だ…」という話しばかりで少しの進展もありません。
これは私が以前から提案していたことですが、「いくら盗掘されても(「バイオテクノロジー」による)苗の供給ができる体制」ができていればよいのです。「バイオテクノロジー」による増殖を懸念する声も聞いたことがありますが、「細胞融合」などとする遺伝子の世界にまで踏み込んだ方法論ではないのです。あくまで「葉挿し」や「根伏せ」と同一のテクノロジーなのですから、認識を正しくすれば(現状では)最上の方法ではないでしょうか(もちろん素早い増殖方法がほかにあれば、特に「バイオ」に頼る「ご塞ぎ豊害そ簸き娼.呈苧lも左苧表芸f詣諾竿訂告孟、〈驚喜夏シ素早い増殖方法がほかにあれは、特に「バイオ」に頼ることはありません)。盗掘されても大丈夫な態勢、これが大切てす。
*鳴神山北面域に広域基幹林道を通した場合、カッコソウ(各種希少植物もふくめて)に対する悪影響は調査の結果がこれほどはっきり示しているのてす.止域基幹林道を建設するからにはそれなりの調査があったはずです。諷査結果にもかかわらず(なかったことにしているのかどうかは不明ですが・・)林道建設を強行(?)しようとする裏には一体なにがあるのでしょうか。どうしても必要な林道であるならば、(個人的には反対であっても)それは必要悪として認めなければならないでしょう。問題とするところは、カッコソウや各種希少植物に対する影響の少ない南面域から、なぜカツコソウや各種希少植物に対する影響が格別大きい北面域に変更し、建設しなければ(させなけれは)ならないのか‥、という点です。カツコソウ保存会の植生調査結果から考えると、間違いなく「自然保護」を念頭に置いた変更ではないでしょう。距離の短さから「大切な税金を少なく使おう」という高度な政治的判断なのでしょうか。
〒379−2304 群馬県新田郡薮塚本町大原400-37
カッコソウ保存会 朝倉 陽一 TEL.0277-78−5790
もくじ